ULSSAS(ウルサス)は、UGC(ユーザー投稿)を起点に購買と拡散が連鎖していく購買プロセスモデルです。SNSが生活の中心になった現在、企業からの一方的な発信よりも、ユーザー同士の投稿や共感が購買を動かす場面が増えました。その動きを説明する枠組みがULSSASです。
この記事では、ULSSASの各文字の意味、従来のAIDMA/AISASとの違い、UGCが起点になる理由、実際に回すためのステップ、注意点を、マーケティング担当者が実務で使える粒度で解説します。フレームを覚えるだけでなく「自社でどう回すか」まで持ち帰れる構成です。
ULSSASの起点となるUGCの作り方は UGCマーケティングの手法解説 を、UGCの基礎概念は UGCとは?の完全ガイド をあわせてご覧ください。
ULSSASとは?各文字の意味
ULSSASは、SNS時代の購買行動を6つの頭文字で表したモデルです。それぞれ次の段階を指します。
- U(UGC):ユーザーによる自然な投稿。すべての起点
- L(Like):その投稿への「いいね」などの好意的反応
- S(Search1/SNS検索):気になった人がSNS内で検索する
- S(Search2/Web検索):さらに詳しく検索エンジンで調べる
- A(Action):購入・申込などの行動
- S(Spread):購入者が再び投稿し、拡散する
最後のSpreadが次のUGCを生み、ループとして循環するのがULSSAS最大の特徴です。直線的に終わらず、購買が次の起点を作り続けます。
AIDMA/AISASとの違い
従来モデルとの違いは「起点」と「終点」にあります。比較すると構造の差がはっきりします。
| モデル | 起点 | 特徴 | 終点 |
|---|---|---|---|
| AIDMA | 企業の認知施策(広告) | マスメディア時代。直線的 | 購買で完結 |
| AISAS | 企業の認知施策 | 検索・共有を組み込む | 共有で緩やかに循環 |
| ULSSAS | ユーザーのUGC | SNS時代。起点がユーザー側 | 拡散が次のUGCを生み循環 |
AIDMAやAISASが「企業の発信」から始まるのに対し、ULSSASは「ユーザーの投稿」から始まる点が決定的に異なります。企業の役割は、発信することから「UGCが生まれ、循環しやすい環境を整える」ことへ移ります。
UGCが起点になる理由
なぜユーザー投稿が購買の起点になるのか。背景には情報の受け取られ方の変化があります。
- 広告への耐性:企業発信は「宣伝」として割り引かれやすく、第三者の投稿のほうが信頼されやすい
- SNS内検索の一般化:一般的に、若年層ほど検索エンジンより先にSNSで評判を調べる傾向がある
- 共感の連鎖:リアルな使用シーンの投稿は「自分ごと化」しやすく、Like・検索・行動へつながりやすい
ULSSASを回すうえで最も難しいのは、実は最初のU(UGC)の発生です。ここが細いと、後続のLike・検索・行動・拡散すべてが立ち上がりません。フレームを導入する前に「UGCがそもそも生まれているか」を確認するのが出発点になります。
ULSSASを回す実践ステップ
ULSSASは自然発生を待つだけでは回りにくく、企業側の設計が必要です。実務では次の順で整えます。
- UGCが生まれる仕掛けを作る:投稿したくなる体験・ハッシュタグ・きっかけを設計する
- Likeが伸びる工夫:良質なUGCを企業アカウントで拾い、反応を可視化する
- 検索の受け皿を整える:SNS検索・Web検索で見つかる情報(公式情報や記事)を用意する
- 行動への導線:検索から購入・申込までの経路を短く分かりやすくする
- 拡散を促す:購入後に投稿したくなる体験・特典・声かけを用意し、次のUGCへつなぐ
UGCを意図的に発生させる具体的な手法は UGCマーケティングの手法解説 に、ツール・プラットフォームの選び方は UGCプラットフォーム比較の記事 にまとめています。
回す際の注意点
ULSSASは万能ではなく、向き不向きと運用上の注意があります。
- 商材との相性:写真や体験を共有しやすい商材ほど回りやすく、共有動機の弱い商材では立ち上がりにくい
- やらせ的な誘導を避ける:不自然な投稿依頼や誇大表現は信頼を損なう。あくまで自然な投稿を促す設計にとどめる
- 短期成果を求めすぎない:循環モデルのため、UGCの蓄積とともに効いてくる。立ち上がりには時間がかかる前提で見る
自社での使いどころ
ULSSASは「フレームを暗記する」ためではなく、自社の購買プロセスのどこが詰まっているかを診断するために使うと効果的です。UGCが出ていないのか、検索の受け皿がないのか、拡散のきっかけがないのか。段階ごとにボトルネックを見つけ、そこに施策を寄せていくのが実践的な使い方です。UGCの基礎から押さえ直したい場合は UGCとは?の完全ガイド を出発点にすると理解が早まります。
まとめ
ULSSAS(ウルサス)は、UGCを起点に「Like→SNS検索→Web検索→行動→拡散」が循環する、SNS時代の購買プロセスモデルです。企業発信から始まるAIDMA/AISASと違い、起点がユーザー側にあり、拡散が次のUGCを生む点が本質です。最初のUGC発生を設計できるかどうかが成否を分けるため、まずは自社で投稿が生まれる仕掛けづくりから着手しましょう。